警報・注意報発令中

トピックス

電車はなぜ“ピタッ”と止まれるの?──その秘密、教えます!

通勤や通学、ちょっとしたお出かけで何気なく利用する電車。駅のホームで待っていると、列の先頭に立ったその足元に、電車がまるで吸い寄せられるように“ピタッ”と止まってくれる光景、見慣れていますよね。

でも、ちょっと考えてみてください。あの正確すぎる停車、実はとんでもなくすごいことなんです。

鉄の車輪はツルツル?ブレーキが難しいワケ

自動車を運転したことがある人なら、「信号の手前で止まるなんて簡単」と思うかもしれません。でも、鉄道はちょっと違います。電車は鉄の車輪で鉄のレールの上を走るので、想像以上に“滑りやすい”んです。しかも、車体は何十トンもあるうえに、車両の長さは100メートル以上になることも。そんな巨体を、ホームの数センチ単位の場所に止めるなんて…まるで神業!

ドアもピタリ!転落防止ドアとの絶妙コンビネーション

最近の駅では、ホームからの転落を防ぐ「ホームドア」が設置されているところが増えてきました。ご存じの通り、電車のドアとホームドアがズレていては困ります。なので、停車位置はこれまで以上にシビアに。
「それなら機械任せでしょ?」と思ったあなた、実はまだまだ多くの路線で、ベテラン運転士さんが手動でピタリと止めているんです!

天気も混雑もお見通し!運転士の職人技

電車がホームに進入すると、運転士さんは“停止位置標”と呼ばれる目印をチェック。そこを目指して、急ブレーキにならないよう慎重に操作します。でも、ブレーキのかけ方はその日の天気、乗っている人の数、車両の長さでも変わってくるんです。まさに毎回が真剣勝負。

ちなみに、ドアの開閉もすべて自動というわけではなく、車掌さんや運転士さんがタイミングを見てスイッチで操作しているんですよ。

あたりまえに見えて、すごいこと

列をつくって電車を待つ人々の前に、正確に止まる電車。その裏には、運転士さんたちの経験と技術、そして日々の集中力が詰まっているのです。
私たちが当たり前に見ているあの光景、次に駅で電車を待つときは、ちょっとだけ尊敬のまなざしで見てみるのもいいかもしれませんね。

【参考文献:図解 眠れなくなるほど面白い鉄道の話 綿貫渉 ISBN978-4-537-22107-7】