2025.05.25
鉄トピ 「「中央線」って何線?🚃」
東京で暮らすようになって最初に感じる“鉄道の違和感”、それが「中央線」という呼び方かもしれません。
地方から出てきた人の中には、「中央本線」という名前で覚えている人も多いはず。東京と名古屋を結ぶ約400kmの幹線であり、その名に“本線”とつく由緒ある路線です。
ところが、東京ではこの中央本線を、あっさり「中央線」と呼ぶことが当たり前。しかもそれが略称というわけではなく、駅の案内表示やアナウンスでもしっかり「中央線」と明記されているのです。「本線はどこへ行ったの?」と首をかしげるのも無理はありません😅
実は、この「中央線」という名称には、東京ならではのローカルな区分けが関係しています。東京駅から新宿・中野・三鷹・立川を経て高尾までを走る快速や特快など、オレンジ色の電車が「中央線」と呼ばれているのです。正式には「中央急行線」という名前ですが、ほとんど使われません。
そして、高尾駅から先、つまり山梨・長野方面へ向かう特急あずさ・かいじなどが走る区間は「中央本線」と呼ばれるのが一般的。とはいえ、大月行きの中央特快(特別快速)は高尾より先まで直通しますが、やはり「中央線」として認識されることが多いのが実情です。
さらに混乱しがちなのが、黄色い電車でおなじみの「中央・総武線」。これは、総武本線と中央本線を直通して秋葉原や御茶ノ水を経由し、千葉〜三鷹間を各駅停車で結ぶ路線です。このため、「中央・総武緩行線」「総武線各駅停車」「中央線各駅停車」など、名称が状況によりさまざまに使い分けられています。
たとえば、運行情報ではこんな風にアナウンスされることもあります📢:
「信号トラブルの影響で運転を見合わせていた中央線快速電車と中央・総武線各駅停車は、〇〇時〇〇分に運転を再開しました。」
こうした名称の使い分けには、それぞれの区間や列車種別に応じた理由がありますが、初めて乗る人にはちょっとした“名称の迷宮”にも感じられるかもしれません。
東京の鉄道には、地元では当たり前でも外から来ると不思議に思うことがたくさんあります。それもまた、この都市の奥深さを感じさせてくれるポイントのひとつです😉
【参考文献:図解 眠れなくなるほど面白い鉄道の話 綿貫渉 ISBN978-4-537-22107-7】