2026.04.05
🌸2026年3月の都内気象 ― 寒の戻りと、春本番がせめぎ合った月 ―
都内の3月は、冬の名残がまだ残る一方で、日差しや南風が入ると一気に春が前へ進む季節です。
2026年3月の都内は、月前半に冷たい雨と寒気の流入で気温が落ち込み、中旬以降は暖気が入りやすくなって、下旬には初夏を思わせる昇温も現れました。
イマ鉄観測網(都内相当エリア70地点)の10分ごとのデータを見ると、気温は上旬9.3℃ → 中旬10.1℃ → 下旬13.4℃と段階的に上昇。風は月全体ではまだ北寄りが優勢でしたが、下旬ほど南寄りが増え、湿度も冬型の乾燥一辺倒から“雨を含んだ春の空気”へと移っていきました。
📊3月のポイント
・3月の平均気温(観測網平均)は約11.0℃。2月の約8.2℃から約2.8℃上がりました。
・最も暖かい“瞬間”は 3/29 13:40(上用賀 24.49℃)
・最も冷えた“瞬間”は 3/11 6:00(永山 −1.03℃)
・日平均気温が最も低かった日は 3/10(観測網平均 4.84℃)
・日平均気温が最も高かった日は 3/31(観測網平均 16.99℃)
・風向は月全体では北寄りが最多(北寄りセクター 約44.9%)
・ただし、上旬57.8% → 下旬33.9%へ低下し、南寄りは上旬9.4% → 下旬26.8%へ増加しました。
・雨は3/3〜4と3/25〜26にまとまり、観測網の地点平均で見る月降水量は約103mm。特に3/3〜4の2日間で、月降水量のおよそ半分が降っています。
🥶1. 3月前半:春の入口で起きた“寒の戻り”
3月は暖かく始まりましたが、そのまま春本番には進みませんでした。
3/3〜4は雨と気温低下が重なり、その後も寒気の影響で、月前半は冬の空気がたびたび戻りました。
特に3/10は観測網平均 4.84℃で、月内で最も低い日平均気温。さらに3/11 6:00には永山で −1.03℃を記録し、花小金井でも氷点下となる時間帯がありました。
3月でも、放射冷却と寒気が重なる朝には郊外側で0℃前後まで下がる。その“冬の残り方”が、今年の3月にははっきり出ています。
🌤️2. 中旬〜下旬:春は一気ではなく、段階的に進んだ
中旬以降は、寒気と暖気が入れ替わりながら、全体としては気温が上向いていきました。
3/19の観測網平均は14.84℃まで上がりましたが、翌3/20は9.44℃へ低下。1日で5.4℃も下がっており、まさに“三寒四温”の振れ幅です。
それでも下旬後半は暖かさが優勢となり、3/29には上用賀で24.49℃、3/29〜31の3日間は日平均気温がすべて15℃を超えました。
特に3/31は観測網平均 16.99℃で、月内で最も暖かい一日。3月は「暖かい日がある月」ではなく、「月の終わりに向かって、春が定着していく月」だったことが、数字から読み取れます。
🚉3. 駅ごとの違い:春は“朝の差”に加えて“昼の差”も広がる
冬は朝の冷え込みの差が目立ちますが、3月はそれに加えて、日中の昇温差も大きくなります。
たとえば3/29 11:50には、上用賀 24.17℃、城南島 16.03℃と、同じ観測網の中で8.1℃の差が出ました。
内陸側や住宅地側は日差しで先に暖まりやすく、湾岸部は海風の影響で気温の上がり方が抑えられる。春の都内は、“どこも同じ暖かさ”ではなく、時間帯によってかなり表情が変わります。
■ 冷え込みやすい地点(郊外側)
大泉町
花小金井
永山
■ 暖まりやすい地点(都心部)
浜松町
水天宮前
赤坂5丁目
同じ都内でも、地形・建物密度・海風・人工排熱の違いが、気温差として現れています。
🌬️4. 風が語る3月:北風の月から、春風の月へ
月全体で見ると、3月も風向はまだ北寄りが最多で、北寄りセクターは約44.9%でした。
ただし中身を見ると、上旬は北寄りが57.8%で“冬の風”が主役。一方、下旬は北寄りが33.9%まで下がり、南寄りは26.8%まで増えました。
つまり3月は、平均値だけを見るとまだ冬の延長に見えながら、風向の構成比を見ると下旬ほど春型へ移っていた月だといえます。風そのものが、季節の進行を数字で示していました。
💧5. 雨と湿度:乾きっぱなしでは終わらない3月
3月の平均相対湿度は、約55.2%。
2月のような強い乾燥が続く日もありましたが、3月は雨のたびに湿度が大きく持ち上がる月でもありました。
日平均湿度は3/8に28.9%まで下がる一方、3/26には86.9%まで上昇。下旬平均でも62.6%となり、上旬の50.7%を大きく上回りました。
冬の“乾いた空気”から、湿り気を帯びた春の空気へ。この変化も、3月らしさのひとつです。
🧭まとめ:3月は、春が“定着し始めた”月
2026年3月の都内は、
・前半に寒の戻りと冷たい雨
・3/10〜11にかけての強い冷え込み
・下旬後半の20℃超え
・内陸と湾岸で広がる日中の気温差
・北風優勢から南風増加への移行
という、冬の残りと春本番への加速が同時に現れた1か月でした。
イマ鉄観測網は、“地図の上で季節がどう進むか”を、都市の移動スケールで捉えます。
同じ都内でも、朝に冷えやすい場所、昼に暖まりやすい場所、風で季節が先に進む場所がある。3月のデータは、その違いをとても鮮明に見せてくれました。