2026.01.05
2025年12月の都内気象 ー都内の冬は、乾いて、北から冷えるー
都内の冬は「乾いて、北よりの風」
2025年12月の都内は、冬らしい空気が主役の1か月でした。
イマ鉄観測網(都内相当エリア66地点)の10分ごとのデータを見ると、月を通して気温は低めで推移し、湿度は下がりやすく、風は北〜北西寄りが優勢。いわゆる「冬晴れが多く、空気が乾く」季節の特徴が、数字にもはっきり表れました。
一方で、同じ都内でも「夜の冷え込みやすさ」や「風の通りやすさ」には地点差があります。駅周辺の街並み・地形・開け方の違いが、そのまま気象の“個性”として出てくるのが、イマ鉄観測網の面白さです。
12月のポイント
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12月の平均気温(観測網平均)は約8.8℃。月初は暖かく、月末に寒さが強まりました。
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最も暖かい“瞬間”は12/1 12:50(錦糸町 25.3℃)。
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最も冷えた“瞬間”は12/28 6:30(大泉町 -2.9℃)。
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風向は 北〜北西寄りが優勢(北寄りセクターが約49%)。
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雨は頻繁ではないものの、12/14、12/20、12/24にまとまった降水が見られました(1日あたりの“地点平均”で6〜10mm程度)。
1. 12月前半:季節外れの暖かさでスタート
12月は、意外にも“暖かい立ち上がり”でした。
観測網平均の日平均気温が最も高かったのは12/1(約14.1℃)で、昼間は一部地点で20℃を大きく上回る時間帯も。実際に、12/1 12:50には錦糸町で25.3℃を記録しています。
この時期は「日なたはぽかぽか、日陰はひんやり」という体感の差が出やすく、同じ日でも場所により“暖かく感じる街”と“冷えが残る街”が分かれます。都心部や湾岸寄りは夜間も下がりにくく、郊外側は朝晩の冷えが先に立つ——12月らしい“差の出方”が、前半からすでに始まっていました。
2. 12月後半:寒さが本格化し「底冷えの日」が登場
月後半は、冬の底力が出てきます。観測網平均で見ると、最も寒かった日(観測網平均の日平均が最小)は12/27(約3.7℃)。
さらに、地点単位では12/28 6:30に大泉町で-2.9℃まで低下しました。
この「月末の冷え込み」は、放射冷却が効きやすい夜に顕著です。空が澄み、風が弱まるタイミングでは、郊外側や開けた場所ほど気温が落ちやすくなります。都内といっても、夜明け前の冷え込みは一律ではありません。駅周辺の環境(住宅地・河川沿い・高架下・開けた交差点など)が、最低気温の出方に影響します。
3. 駅ごとの違い:都心は“下がりにくく”、郊外は“下がりやすい”
月平均との差が分かりやすいのが、地点別の月平均気温です。
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月平均が低め(冷えやすい側)
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大泉町:約7.31℃
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花小金井:約7.53℃
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新河岸:約7.83℃
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月平均が高め(暖まりやすい側)
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浜松町:約9.95℃
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水天宮前:約9.78℃
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赤坂5丁目:約9.73℃
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冷えやすい地点は、夜間に気温が落ちやすい条件(放射冷却が効く/風が抜けにくい・抜けすぎる/周辺の人工排熱が少ない等)を持っていることが多く、逆に都心部や水辺に近い地点は、夜間も“下がりきらない”傾向が見えます。
この差は、体感としては「同じ防寒でも寒さの刺さり方が違う」程度に感じられることがあります。
4. 風が語る12月:北〜北西が主役、体感を押し下げる
12月の風向は、数字が明確でした。
観測網全体で見ると、風向は 北寄りセクター(315°〜45°)が約49%。中でも頻度が高いのは NNW(北北西)で約21%で、次いでNW(北西)やNNE(北北東)が続きます。
「風が強い=荒れた」というより、北寄りの風が“継続”することで、体感温度が下がりやすいのが12月の特徴です。
また、今月の最大瞬間風速のピークは、12/12 5:30 大鳥居で25.7m/s(風向NNW)。早朝帯に一気に風が強まったことが分かり、通勤・通学の時間帯に近いだけに、体感としても印象に残りやすいタイプの強風です。
5. 乾燥の12月:湿度30%前後まで下がる日も
相対湿度の観測網平均は約53%。ただし分布を見ると、乾燥が強いタイミングでは湿度30%前後まで下がる時間帯が複数地点で出ています。
冬は「気温が低い」だけでなく、「乾く」ことで喉・肌・静電気などの体感要素が強くなります。駅のホームや高架下など風が通る場所では、乾燥の影響をより感じやすいかもしれません。
6. 雨は少なめだが、降る日は“まとまって”降る
12月は全体としては少雨傾向ですが、降る日はまとまって降ります。
地点ごとの月降水量(10分値の積算)は、1地点あたり平均で約32.7mm。大きな山は次の通りでした(地点平均の1日降水量):
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12/14: 約9.95mm
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12/24: 約8.40mm
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12/20: 約6.58mm
「ずっと降り続く」というより、短い時間で降水が入り、止む——そんな12月らしい降り方が中心でした。冬の雨は路面コンディション(濡れ・冷え・凍結の可能性)に直結します。降水の有無が、移動のしやすさを決める月でもあります。
まとめ:冬の“当たり前”を、駅ごとの差で見える化できた12月
2025年12月は、乾いた空気と北寄りの風に象徴される「冬らしい都内」が、データでもはっきり確認できました。
同時に、都心部と郊外側、湾岸寄りと内陸寄りといった違いが、気温・風・湿度の出方に現れています。
イマ鉄観測網は、こうした“地図の上の気象差”を、日々の移動実感に近いスケールで捉えられるのが強みです。
引き続き、同じ都内でも体感が変わる「理由」を、数字と一緒に伝えていきます。